計算の基準を口座残高にするか、有効証拠金にするかを先に決めます。複数の含み損がある状態では、残高より有効証拠金を使う方が現在の余力を反映できます。たとえば基準資金50万円、1回の許容損失を1%とする仮定なら損失予算は5,000円です。この率は推奨値ではなく、自分で決める入力値です。
同時に複数の注文を出す場合は、1件ずつ5,000円を割り当てるのではなく、同時に損切りへ達した場合の合計を確認します。円相場に同じ方向で反応する通貨ペアなど、相関の高い建玉は別々に見えても同時損失になり得ます。既存ポジションの残余リスクを全体予算から引いてから、新規注文へ配分します。
FXでは「損切り幅(pips)×1ロットのpip価値」で、1ロットを損切りしたときの金額を出します。契約サイズ10万通貨のUSD/JPYなら、1pipを0.01円とする場合、1ロットのpip価値は1,000円です。0.10ロットなら100円ですが、MicroやCentなど契約サイズが異なる口座には同じ値を流用できません。
口座通貨と決済通貨が異なる通貨ペアでは、計算時の為替レートで口座通貨へ換算します。金や株価指数CFDは「pips」という呼び方を無理に当てはめず、銘柄仕様のtick sizeとtick valueを使って「価格差÷tick size×1ロットのtick value」とします。値が見つからない場合は、公式計算ツールまたはデモ口座の注文確認値と照合します。

基本式は「ロット数=許容損失額÷(損切り幅×1ロットのpip価値+1ロット当たり往復手数料)」です。仮に許容損失1万円、損切り50pips、pip価値1,000円、往復手数料700円という入力なら、1万円÷5万700円=約0.197ロットです。注文刻みが0.01なら0.19ロットへ切り下げ、想定損失は手数料込み9,633円です。
四捨五入で0.20ロットにすると想定損失が1万140円となり、予算を超えます。さらにスプレッド、滑り、窓開けを損失予算内に収めたい場合は、先に余裕額を引いてから計算します。損切り幅を狭めてロットを増やす場合も、チャート上の無効化水準より内側へ損切りを動かして数字だけ合わせないようにします。

計算後は、注文方向に合った現在価格、損切り価格、ロット数を発注画面へ入れ、価格差が想定したpips・tick数と一致するか確認します。桁数の違いで「points」と「pips」を取り違えると10倍ずれる場合があります。指値注文では予定価格から損切りまでの距離を使い、現在価格からの距離を使いません。
最後に必要証拠金と余剰証拠金を確認します。ロット計算が損失予算内でも、他の建玉を含む証拠金維持率が低ければ新規注文を見送る分岐が必要です。計算値、参照レート、銘柄仕様の確認時刻を残し、条件が変わったら古い結果をそのまま再利用しません。
口座残高、1回に許容する損失率、損切り幅、1ロットの1pip価値を入れます。
概算です。1pip価値、契約サイズ、口座通貨は銘柄と業者で変わります。注文前に取引ツールの銘柄仕様で確認してください。
通貨ペアだけでなく、クロス通貨、金、株価指数、契約サイズの小さい口座で計算がどう分岐するかを整理しています。
| 判断ケース | 入力前に確認する値 | 計算の分岐 | 関連 |
|---|---|---|---|
| 円建て口座のUSD/JPY | 契約サイズ、1pipの桁、損切り幅 | 決済通貨が円なら契約サイズからpip価値を計算 | 海外FXの口座タイプ |
| 円建て口座のEUR/USD | USD建てpip価値、USD/JPY換算レート | 決済通貨USDから円へ換算してからロットを算出 | 海外FXのレバレッジ |
| EUR/GBPなどのクロス | 決済通貨と口座通貨の換算ペア | 換算方向を確認し、計算時レートを保存 | 海外FX証拠金計算 |
| 金・株価指数CFD | tick size、tick value、契約サイズ | pipsの固定観念を使わずtick単位で算出 | リスク説明 |
| Micro・Cent等の口座 | 口座固有の1ロット単位と最小刻み | 標準契約のpip価値を流用せず再計算 | 海外FXの口座タイプ |
計算結果を注文へ移す前に、各社プラットフォームの銘柄仕様で契約サイズ、tick size、tick value、最小ロット、注文刻みを確認してください。
リンク先の規約・仕様が更新される場合があります。申込みや注文の直前にも原文を開いてください。
一律の適正値はありません。自分が1回で許容できる損失額を決め、損切り幅とpip・tick価値から逆算します。率だけでなく円額でも確認してください。
損失上限となる価格差がないため、この方法ではロットを決められません。口座全額を失うまでの距離を便宜上使う計算は、通常のリスク管理にはなりません。
チャート価格と実際に決済される売買価格の違いを確認し、必要なら費用または価格差として含めます。二重計上しないよう、計算方法を固定してください。
最小ロットへ切り上げると許容損失を超えるため、その口座では注文を見送る、損失予算を変えず契約サイズの小さい口座を検討する、といった分岐になります。
損失リスクと証拠金の扱いは別です。片側決済やギャップを考え、各建玉の損切り時損失と業者のヘッジ証拠金ルールを確認します。